関西連盟 清水哲雄先輩 【旧制名古屋大学 s28年卒】

学生時代の思い出

 

1. 先輩の氏名、大学名、卒年を教えて下さい。

清水哲雄。旧制名古屋大学経済学部。昭和28年3月25日卒。

 

2. 先輩の段位、称号、主な戦歴を教えて下さい。

剣道教士7段。

北陸三県剣道大会に出場。全国教職員剣道大会に出場。

全日本剣道演舞大会に出場。旧制高専剣道大会に出場。

 

3. 先輩の学生時代一番印象に残っている場面を教えて下さい。

戦後数年間はGHQ命令で剣道は禁止されていたが、昭和26年春には剣道愛好の学生が

集って、旧制第八高等学校の道場の床拭きから剣道稽古が始まった。

畏友木本三夫氏(名大工学部2年生。現東海学生剣道連盟会長)、勝沼信彦氏(名大医学部

先輩。元徳島大学医学部部長。元徳島文理大学長)、三輪田薫氏(名大医学部先輩)達と稽

古を再開。平和を満喫しつつ稽古に励んだ。時には名古屋刑務所や愛知県警機動隊にも出

稽古に行った。

 

4. 先輩の学生時代の座右の銘、現在の座右の銘がありましたら教えて下さい。

Steter Tropfen höhlt den Stein!

兀兀地。

 

5. 学生時代に一番努力したことは何ですか。

学生の本分は自己の専門教科の探求にある。剣道は余暇の善用である。

ここが大切なところ。

私は名大経済学部経営学科であったので、会計学を専攻した。指導教官は経営学博士、

土岐政蔵教授でドイツ会計学の重鎮Herr Dr.Prof. Eugen Schmalenbachの高弟であっ

たので、私もドイツ会計学を徹底して学び、滋賀大教官になってからアメリカ会計学に手

を染めて今日にいたっている。

 

6. 学生時代に一番苦しかったことは何ですか。

専門の会計学でいえば、Herr Dr.Prof.Eugen Schmalenbachの“Dynamische Bilanz”

の読解であった。昭和25年には名古屋市内にAmerican Centerが出来て、洋書、洋雑誌

が並んだ。これを手書きでノートに書きとめた。辞書にない語彙が多く現れ、その判読に

苦しんだ。余暇の剣道では懸り稽古。気を抜かない稽古に苦しんだ。今でも学生にはそう

教えている。

 

7. 先生や先輩から頂いた印象に残る言葉は何ですか。

剣道では福井の範士九段、故岩越正先生の『先をかけろ』

名古屋の範士八段、故小川正亮先生の『心を打て』

専門の会計学では名古屋大学教授、故経営学博士、土岐政蔵先生の『四六時中会計理論

を考える』

 

8. 全国の学生後輩にひと言メッセージをお願いします。

自己の専門を大切にしなさい。

社会的地位があがることはそれだけ社会貢献をしている証しである。

社長になってもいい、学長になってもいい。組織のトップを目指しなさい。

それには不断の努力が肝要である。正に“Steter Tropfen höhlt den Stein”

(絶え間のない水滴は巌をも穿つ)である。

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